今回は自分の抱える障害、強迫性障害について。
日常生活を送る上で非常に厄介な障害です。
「強迫」であって「脅迫」ではないので誤解なきように。
強迫性障害とは
まず、強迫観念と強迫行為、2つの要因から成り立ちます。
強迫観念
自分の意志に反して、分かっているのに止められない思考。その思考によって強い不安感を抱く。
例∶このドアノブはもしかしたらすごく汚れていたかもしれない。汚れていたら自分の衣服などにその汚れと細菌が付いているかもしれない。
強迫行為
強迫観念によって生まれた不安感、不快感を払拭しようと同じ行為を何度も繰り返してしまうこと。
例∶ドアノブを触った手を念入りに洗う。一度では足りず二度三度と繰り返す。衣類も全て洗う。手を洗う前に触れた可能性があるものすべて洗浄する。
自分の症状
洗浄行為
例に上げたようにとにかく洗浄行為がやめられないです。
自分の強迫性障害で大部分を占めるのがこの洗浄行為です。
本当に不潔かどうか分からない、不潔じゃないよと言い聞かせても、あらゆるネガティブパターンを想定し、強迫観念に駆られ洗浄行為を繰り返します。
冬場は手が赤切れや手湿疹で酷いことになります。
自分が苦手なものは
お店の入口のドアノブ
他人が座った椅子
靴を脱がなければならないお店や病院
エレベーターのボタン
エスカレーターや階段の手すり
電車のつり革
お金を触ること
配達されてきたダンボール
他人と接触すること
上記は一例で、他にもまだまだあります。
公共のもの全てが苦手と言ってもいい位です。
特に自宅以外のトイレがすごく苦手で外出先で苦労します。
トイレのドアノブはもちろん、床を踏むのも苦手なんです。
あくまでも本当に不潔かどうかが重要ではなく、自分の思考に基づいて、自分が不潔判定したらダメって感じです。
加害恐怖
誰かに危害を加えてしまったかもしれない。自分の知らないところで警察沙汰になってるかもしれないと確認してしまう。
特に車を運転中に多いです。
走行中、自分の意図しない場所に段差などがあり車体に振動があると、もしかしたら人や動物を撥ねたかもしれない!と確認の為に来た道を戻ることがあります。
店舗の駐車場なんかでも多いです。
バックで出て、予期しない振動があると不安になりすぐ引き返すことがあります。
そのままループにはまり何度も同じ道を行ったり来たり。
そのせいでなかなか目的地に辿り着かないことも。
酷いときは高速を降りて、また乗って、また降りて、と繰り返したこともあります。
確認行為
何度も同じ確認をして納得するまで次に進めません。
誰でもよくあることだと
家の鍵締めたかな?
コンセント抜いたかな?に始まり
DVDやBDをケースに仕舞う際にちゃんと仕舞ったよな?とケースをなんども開けたり閉めたり。
それを繰り返すうちにキズついた?と気になり、また開けたり締めたり気が済むまで無限ループ。
ゴミの日にゴミを出して、うちのゴミがちゃんと回収されたか不安になり確認に行ったり。
もし回収されていないゴミがあったら、うちのかもしれない!と確認しに行きます。(触れませんが)
コンセントを挿した際におかしな挿し方でそこから漏電して火事になったら…と不安になり、なんども挿し方を確認して、しばらく様子を見てたり。
これも気が済むまで無限ループです。
洗濯機に洗剤(うちはジェルボールなので洗濯槽に直入れ)をちゃんと入れたかな?と何度も洗濯物を掻き分けては洗剤がちゃんと入っているかの確認をしたり。
あと確認するときは声に出し、指を指さないと気が済まないです。
こちらは仕事中もよく出る症状なんですが、現在、休職中で仕事の事を思い出したくないので省かせて頂きます。
どうやって暮らしているか
洗浄行為の暮らし
まず、アルコールウェットティッシュは必ず持ち歩きます。
アルコール消毒液も。
それとニトリルゴム手袋。
どうしても触らなければいけないドアノブやお金は、触ったらすぐ消毒!
ゴム手袋はさすがに人目が気になるので、常に着用しているわけではありませんが、人目が無い状態では着用して使い捨ててます。
外食や病院など、車で出掛け、出先で椅子に座らざるをえない状態の場合、帰ってから車のシートに消毒液アルコールを吹きかけてからアルコールウェットティッシュで念入りに拭きます。
もちろんハンドルやシフトノブ、シートベルト等、触れたであろう場所は全て消毒除菌します。
着ていた服は例え少しの外出でも迷わず洗濯機に入れます。
とにかく外出して帰宅したら車、衣服、持ち物全て洗うか消毒除菌します。
買い物してきた品物も外装が剥けるものは剥いてしまい、それ以外は消毒除菌。
外から持ち込んだものを置いた床なども気になるので、フローリングワイパーをよくかけます。
困るのは出先のトイレです。
まず、トイレ出入り口にドアがあるのはダメです。入れません。
また便器が1つか2つしかないような狭い場所も苦手です。
出入り口にドアが無く、便器が程よい距離を保ち、尚且複数あり隣に人が来ないようなトイレを探します。
遠出した際などはなるべく高速のSAや大型ショッピングモールのトイレを使います。
どうしても我慢できないときは諦めてコンビニ等を使いますが…。
加害恐怖の暮らし
これは自分が納得するまで繰り返すしかありません。
ガソリン代や高速代、それに時間も無駄に浪費していますが自分が納得しないと不安で居ても立ってもいられなくなります。
当たり前ですが、常日頃から安全確認を怠らず、安全運転。これに尽きます。
確認行為の暮らし
こちらも自分が納得するまで繰り返すしかありません。
ただコンセントにしても戸締まりにしても確認するに越したことはないので、これについては良い面もあるな、と思っいます。
我が家の対策
洗浄行為は諦めが肝心
まず、出掛ける=汚れると仮定して、帰ったら全て洗おう。全て消毒除菌しよう。そうすれば大丈夫。と自分に言い聞かせています。
また靴などは汚れても良い靴を用意し、病院などにはそれを履いて行きます。
帰ってきたら靴下を脱ぎ足を洗います。
服や靴は出掛ける先を想定し、汚れてもいい服装(自宅ですぐ洗える)を準備し、それを着用するようにしています。
靴は消毒用アルコールやアルコールウェットティッシュで拭いても大丈夫そうなものを選択します。
消毒用アルコール、アルコールウェットティッシュは常にストックを多目に持っています。
コロナ禍は逆に過ごしやすい?
不謹慎ですが、自分のような者に取ってコロナ禍は過ごしやすいです。
世の中どこでも消毒が徹底されていますから。
どの店にもアルコール消毒が置いてあり、座席は消毒され、席の間隔も広め。
みんなマスクを着け一定の距離を保つ。
願わくばコロナ終息後もアルコール消毒の徹底はして欲しいな、と思います。
パートナーの理解が大事
幸い我が家の場合、妻も多少潔癖症の気があるので理解してくれています。
また自分の過剰な対応にも長年付き添ったから慣れているのか諦めているのか文句は言いません。
むしろ車の中や家の中がキレイになってラッキーくらいに思っている様です。
また加害恐怖や確認行為に対して自分の不安を打ち消す論理的な説明をしてくれるので助かります。
それでも自分が納得しない場合はドライブだと思って付き合ってくれます。
薬を服用する
自分は精神科に相談した結果、セルトラリンという薬を処方されています。
この薬はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の一種で、抗うつ薬に使われるものなんですが、脳内のセロトニン濃度を高め、不安感などを軽減し、心のバランスを保つ効果があります。
パニックやPTSDにも使われるみたいです。
自分はこれを成人男性の1日の用量最大値である100mgを処方されています。
ただし、一度に100mg飲むときもあればその時に応じて50mgずつ2回に分けて飲むようにしています。
このセルトラリンの効果なのか、以前よりは細かいことが気にならなくはなってきました。
最後に
周りの理解が何より大事
強迫性障害は100人に1人か2人いると言われています。
身近にも強迫性障害を抱えて日々、心身共に疲れる生活をしている人がいるかもしれません。
こういった障害は、なかなか打ち明けるのも勇気が要りますし、なるべくなら隠したいですから。
そういう人が身近にいたら、とりあえず、そういう人も居るんだと受け入れてあげて欲しいです。
何かしてあげて!とは言いません。
奇異の目で見るのだけは控えてあげて下さい。
本人も勇気を出す
なかなか難しいことではありますが、自分は正式に主治医から強迫性障害の診断が下りたあと、家族はもちろん、友人や仲の良い知り合いにも打ち明けました。
すると気持ちがスッキリして楽になりました。
意外と皆すんなり受け入れてくれました。
それに甘えて自分の考えを押し付けすぎるのは良くないので、理解されただけでもまずは良しとしましょう。
隠し通すのは辛いですから自分の心に何が必要か?
少しでも心身のストレスを軽減するために打ち明けるのもいいかもしれません。
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