前回までのお話はこちら↓
ノー麻酔のメスサクッがあったが、無事緊急処置が終わり、後は肺が元の大きさに戻るまで胸腔内の空気が抜けるのを待つのみ。
概ね2週間掛かるらしい。
クソみたいに鬼の職場
処置が終わり、点滴を打ちながらベッドに横になっていた私は、
そういえば会社に電話しなければとガラケーを手に取る。
11年前はまだスマホよりガラケーが多かったかな?
上司に電話し、自分の病状と処置の内容、2週間の入院について報告した。
え?明日から何とか来てよ。
今思えば本当にやばい会社、やばい上司です。
もちろん病院側はNG。
2週間は安静にせよと会社に連絡が行きました。
ちなみにこの会社にはその後11年間勤めましたが、うつ病、パニックによる3回の休職を経て、この度退職致しました。(籍は来年1月半ばまで)
本当に辞めて良かったと思える会社です。
入院初日、痛すぎて眠れない
入院初日はとにかく胸が痛かった。
麻酔が効いてるうちは眠れたんですが、切れてからは何をしても痛い。
切った所も痛いし、そこからだいぶ奥まで管が入っているので、そのルートが全部痛い。
数時間悶え苦しんで我慢出来ずにナースコールを押し、看護師さんに痛くて堪らないと伝えると、
痛み止め打ちますか?
え?そんなのあるなら早く打って頂戴!
待つこと数分…見たことないほど太い針の注射器登場!!
しかもなげえなげえ。
戦慄とはこの事。
痛いですよー。
とベテラン白衣の天使が腕に注射器をぶっ刺す!
待って、本当に痛い!
しかし、これで胸の痛みから開放されるのか。
これあんまり効かないからねー。
え?刺したあと言う?
本当に効きませんでした!
しかも痛み止め打った所が胸の痛みを超える痛さ!
ジンジン熱を持って腫れ上がってるような、燃えるような痛み。
左腕死亡しました。
そして胸も痛い。
入院初日は胸の痛みと左腕の痛みで眠れませんでした。
順調に回復していくが臭い
入院生活も数日が過ぎ、病院にも慣れてきた頃、ある事に気付く。
自分が臭い。
そう、風呂に全く入れない日々だったのです。
頭はギトギト体は痒い。
濡れタオルで体を拭くのみの生活にだいぶまいってました。
こんなに長期間風呂に入らないのは初めて。
もう本当にお見舞いに来る人とかに会いたくなかった。
病室では常にパーカーのフードを被り、少しでも匂いとギトギトの頭を隠そうと必死でした。
そんな状態を見かねた看護師さんが、
頭だけ洗ってあげようか?
マジ天使。
管が繋がっているので風呂には入れないが、洗面台で頭だけ洗ってくれると言う神提案。
いざ、洗面台に頭を突っ込み洗髪開始。
…抜け毛すげー!!!
しばらく髪を洗わない生活だったので仕方ないですが、本当に洗ってくれた看護師さんには申し訳ないほど髪が抜け落ちました。
悲しかったです…。
遂にシャワーを浴びる、そしてポシェットはタプタプに
そんな入院生活も10日ほど経ち、管が繋がっているポシェットに水が貯まる量も減ってきたある日。
今度はシャワーの許可が出ました!
ただし、ポシェットは濡らさない事。
このポシェットはドレーン処置がどれくらい進んだかの指標になる。
濡らして万が一、中にシャワーのお湯が入ってしまえば分からなくなってしまう。
私は細心の注意を払いつつ体を洗い綺麗サッパリ清々しい気持ちでシャワー室を出た。
しかし、違和感。
いつも肩に掛けているポシェットが重い…。
…タプタプやー!!!
もうね、シャワーのお湯でタプタプ、フル満タン!
溢れんばかりのお湯が中に入ってました。
これはどうにかしなければ…。
シャワーを浴びる前はどれくらい入ってた?
全然覚えていない。
…とりあえず捨てよう。
もうこの際、勘で行くしかない。
少しだけ水をポシェットに入れシャワー室を後にした。
秒でバレる
何食わぬ顔でシャワー室から病室に戻り、回診の看護師さんがポシェットを確認する。
大丈夫だ、完璧だ。
これ、ただの水じゃない?
秒でバレました。
だって水が綺麗過ぎるもの。
体から出た水分は若干濁っている。
ポシェットには綺麗なシャワー水。
その後、怒られてシャワー使用禁止になりました。
クソみたいな会社、再び
順調に回復し、きっかり2週間で退院したが、切った所から管を抜いて縫ったばかりだから2、3日自宅で安静にするように言われる。
その旨、会社に連絡したところ、
いいから明日から来い。
あと夜勤やれ。
本当にクソな会社でした。
そしてそれに従い、縫った痛みが癒えないまま翌日から夜勤を頑張りました。
本当に辞めて良かった…。
最後に
これが私の自然気胸の思い出です。
こんなに長く会社を休むのは後にも先にもこれだけだろうなぁと、当時は思いましたが、その後、自然気胸を2回経験し、うつ病、パニック障害での休職を3回。
終いには退職するハメになりました。
今となっては良い思い出…
…
……
………
…なわけがない!
皆さんも身体と心をご自愛ください。
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